校長室便り

平成29年度 校長室便り

合同朝会の表彰式:“金メダリスト”へのインタビュー
合同朝会の表彰式:“金メダリスト”へのインタビュー

 

柘植雅義

 

筑波大学附属大塚特別支援学校校長

 

筑波大学教授(人間系 障害科学域)

校長室便り3

 

「応援」って、何と素敵な言葉でしょう。

 

 誰かのために応援するという行為。その人がもっと上手くいくように、その人がもっと豊かに幸せになるようにと、心を込めて。英語では、Support でしょうか。でも、Support の日本語は、支援とか支持とかサポートとかに訳されますから、「応援」とは少しニュアンスが違いますね。

 

 先日、運動会の全体練習の日のこと、高等部生徒主体の開会式、中学部生徒主体の閉会式、綱引きなどの練習の他に、紅白の応援合戦の練習もありました。自分たちのチームが頑張るぞ、という掛け声と共に、双方が相手のチームの頑張りを応援する掛け声もありました。自分が精一杯頑張ること、そして、相手が精一杯頑張ること、実はその両方が大切なんだということを子どもたちにどのように知らせ、理解させていくのか。とても難しいことかもしれないけど、知的障害教育の重要な事項の一つだと思います。

 

 そういえば、何年か前、私が着任して1年が過ぎようとしていた年度末の離任式の前のこと、本校に勤務して、やがて本校を羽ばたいて行く教員や職員を「応援団」と呼ぶことにしました。定年退職しても、別の学校や職場に転職していっても、ずっと附属大塚のことを応援してください、という思いからです。

 

 本校の子どもたちへ

 もうすぐ運動会ですね。皆さんは、赤組になりましたか? 白組になりましたか? 自分のチームが勝つと嬉しいですね。でも、皆さんと同じように、相手のチームの友達も一生懸命練習をしていますね。だから、頑張っている相手のチームの友達も応援しましょうね。

校長 柘植雅義

校長室便り2

「鯉のぼり」と「鉄腕アトム」と「PTA総会」

 

 4月の下旬、連休前の晴天で風が爽やかなある日のこと。朝、校門を入ってすぐのところにある遊具のある広場で、幼稚部の教員が鯉のぼりを揚げていました。毎年この時期、毎朝の作業です。水平に張られた綱に、黒、赤、青、緑の4つの大小の鯉のぼりがぶら下がりました。登校してくる子どもたちは、「鯉のぼり!」と指をさして声を上げたり、親子で近くに行って尻尾を掴んだりします。

 

 保護者の方々は、そのまま体育館に向かってPTA総会。昨年度の振り返りと今年度の計画、新旧の理事や役員の交代、そして、新入会員の紹介など。会の冒頭、保護者の方々に校長挨拶。附属大塚は、世界最高水準の知的障害教育を目指していること、そのためには、保護者の皆さんと学校との連携が今後ますます重要になること、そして、その連携の大切なキーワードが「個別教育計画」と「合理的配慮」であること・・・。

 

 総会が半分くらい経過したとき、突然、「鉄腕アトム」の曲の楽器演奏が運動場から聞こえてきて、張り詰めた緊張が何やら少し和らいだ様でした。5月の運動会に向けた、毎年恒例の高等部生徒による入場行進曲の練習です。この曲を聞いて、先の校長挨拶で、「本校の子どもたちは皆カッコいいアトム!」そして「本校の教員は皆ダイヤモンド」と言うことを忘れていたことに気が付きました。毎年、言っているのに。

 

 本校の子どもたちへ

 運動会の練習が始まりましたね。この前、皆さんのお家の人と附属大塚の先生とが一緒に、体育館で勉強をしていたら、高等部の皆さんの演奏する「鉄腕アトム」が聞こえてきましたよ。運動会の入場行進では、皆さんのカッコいいところを、たくさんの人に見てもらいましょうね。

校長 柘植雅義

校長室便り1

「おおきなかぶ」

 

 4月になって2週間が経過したある日のこと。幼稚部から高等部まで、いつものように各教室を回りました。本校に新たに入学、進級した子どもたち、新たに本校に着任した先生方、担当するクラスや学部が変わった先生方、・・・。新しい仲間、新しいチームで、昨年度とはまた少し違った、新たな取り組みが始まりそうな予感。

 

 幼稚部に行くと、ある教員が「おおきなかぶ」(小学1年生の教科書にも載っているロシア民話)の歌を歌って、その後ろに、数人の子らが順に前の人の服を掴んで楽しそうに遊んでいました。その様子を少し離れてじっと見ていた子に、その教員が何度か声をかけて誘っても、恥ずかしいのか加わりません。でも、その先生があるタイミングで声をかけると、走り寄って行って一緒に引っ張りました。そして、おおきなかぶが抜けました。かぶがぬけて一番うれしそうなのは、その子でした。

 小学部のそら組(5~6年生)に行くと、ある子が、自分のこと、自分が春休みにしたこと、そして、他の何人かの友達のことをずっと私に話しかけてきました。昨年も、時々、そっと片言で、話しかけてくる子でしたが、こんなに長い時間、しかも、いろいろな話を分かりやすくしてくれたのは初めてだったので、とても嬉しくなりました。

 運動場では中学部の子どもたちと先生方全員が一緒にトラックをジョギング。先生方は皆、自分の担当の子や近くの子の指導をしながら、他の先生方の子どもとの関わり方や指導の仕方を丁寧に観察しているようでした。何やら、先生方が、とても頼もしく感じられました。

 高等部の1年生の教室に行くと、他の学校から入学してきた何人かの子らと、中学部から進級してきた子らと、そして他の学部から移ってきた2名の教員とで授業が始まっていました。皆、初めての高等部、にも拘らず、何やら既にしっくりとした、前から続いているような豊かな学級の雰囲気。

 

 4月の最初の2~3週間って、子どもの実態把握や、新たな教員間の役割分担、指導計画や年度計画の最終確認、そして保護者との連携協力のスタートなど、とても大切な時期なのですね。今年度も、とても良いスタートが切れました。

 

本校の子どもたちへ

おおきなかぶは、一人ではなかなか抜けません。でも、皆でいっしょに頑張ると、抜けるのですね。こんど、友だちが困っていたら、そばに行って声をかけたり助けてあげたりしてくださいね。友だちは、きっと喜んでくれますよ。そして、いつか、自分が困っているときに、きっと、助けてくれますよ。

校長 柘植雅義

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