中学部

授業紹介

□ 生活単元学習

 本校の生活単元学習は、主体的に社会・文化的な活動へ向かう力(「生活に向かう力」)、社会生活(くらし・働く・余暇)を豊かにするために必要な知識、技能、それらを統合し、よりよく問題解決をする力(「知識・技能・問題解決する力」)、他者と関わる力や様々な集団活動に参加する力(「関係の形成と集団参加」)、以上3つの力を育むことをめざしています。

 中学部では、小学部段階で育まれた「学級集団」の活動へ主体的に取り組む力を基盤に、「学部・学校集団」へと活動の場を広げる中で、「先輩・後輩を含めた仲間」への意識を高めながら互いの関係を深めることをめざしています。通常は各学級単位で学習しますが、内容によっては他学年や学部合同、中高合同学習も行っています。

 また、これまで中学部では仲間関係を育む「生活」の授業に取り組んできました。そこでは、集団で行うゲームの楽しさや、学部全体の縦割りグループでの調べ学習や発表活動を通して、仲間への意識を高めてきました。また、これらの活動で「役割」や「振り返り」の場面を設定したり、グループや活動を自己選択する場面を取り入れたりする中で、自他の理解を深めることをめざしています。この他、「生活」では、以下のような生活に結びついた実際的な状況下での指導を行っています。

○社会性を育む上で必要なもの(関係の形成と集団参加)

・集団生活を送る上で必要なルールやマナー

・移動に伴う公共機関(施設等)、交通機関(バス、電車)の利用

・金銭感覚を養う上で買い物学習の体験、金銭の学習

・対人関係を育成する上で必要な挨拶返事

○野菜や花などの栽培学習

○描画による行事の振り返りの学習

 

仲間関係を育むゲーム活動

□ 体育

 体育では、身体の操作性を高め、健康の保持増進と体力の向上を図るとともに、日常生活において、すすんで運動に親しもうとする態度や習慣を育むことをめざしています。また、集団による運動を通して、協調性や集団のルールといった社会性を育てます。

 中学部では、幼少期で獲得してきた運動を基礎として、自分で体を操作しながら動かす経験を増やすとともに、仲間を意識しながら活動する機会を積極的に作っていきたいと考えています。物や自分の体を調整して体を動かす力を高めること、ルールのある活動の中で、体を動かすことをねらいとしています。その中で、友達と運動する楽しさや喜び、達成感を味わい、自らすすんで体を動かすことができるようしたいと考えています。指導は、学部単位で展開しています。また、将来を含めて余暇活動の充実、生涯にわたってスポーツ文化を享受することをめざしています。

 

風船ゴルフ(3学期)

サーキット

 

 基礎的で多様な運動を通して身体を調整する力、協調運動、平衡感覚、筋力などを総合的に高めるためにサーキットトレーニングに取り組んでいます。同時に、からだを動かす経験を通して、自ら設定した目標に向かう力や活動を振り返ることで自分に自信をもって取り組む意欲を育むことをねらっています。現在の主な活動は以下の4つのステーションに9つの運動を設定します。

 

「タイヤステーション」

◆ タイヤ押し・タイヤ引き:廃タイヤに穴を空け、タイヤを重ねて固定したものに取り付けたロープを手繰りよせ、元の位置までタイヤを押します。タイヤの重さは4kg~18kgまで。全部で6種類あります。

「腹筋・スクワットステーション」

◆ 腹筋:マットに設置した棒に足をかけて腹筋するコーナーと肋木にゴム紐をくくり付けて少しの力で身体を起こせる工夫をしたコーナーがあります。

◆ スクワット:姿見の前に設置した足形を使い、姿勢を確認しながらスクワットを行うコーナーと床に置いたカゴに入っているボールを肋木の高い位置に取り付けたカゴに入れることでしゃがみ込み動作をするコーナーがあります。

「手足ステーション」

◆ 手足型:プラスチック製の段ボール素材にスポンジの手足型を貼ったマットを使い、ボディーイメージを高めながら手足の交互動作を引き出します。

◆ だんだんバー:バドミントンのポールを立ててロープを張り、等間隔にステンレスバーを設定します。中間位を保ちながらステンレスバーの間を通り抜けて行きます。

「バランスステーション」

◆ 平均台・島渡り:平均台は前後の向きで行います。2、3台の踏み台をつなげたものを並べて渡ります。

◆ JPクッション(ジャンピングクッション):不安定なクッションの上に片足立ちをして前進します。片足ずつ5秒間数えます。

◆ カラーバー:10センチ程度のバーを倒さないように歩いたり、両足飛びをしたりします。バーは重ねることによって高さを調節しています。

◆ キャスターボード:キャスターボードに腹ばいとなり両手でかきながら前に進み、コーンを廻ってきます。

 サーキットは朝の運動として火曜日と木曜日に取り組んでいます。水曜日と金曜日はマラソンに取り組んでいますが、どちらも「振り返りの活動」を大切にしています。サーキットの振り返りでは、各ステーションを担当する教員が、その日に頑張った生徒を指名し、「がんばり賞」メダルを授与します。生徒達は、友達や教員に褒めてもらうことで自信をもって取り組めるようになります。

 

 この他にサーキットでは、教材の準備や片付けも生徒同士で協力して行います。生徒達は、それぞれの役割を意識しながら協同で物を運ぶ活動(協同活動:手段Aと手段Bで目標Xを行う活動)を通して仲間意識を高めています。本校では、ほとんどの指導形態が学習指導要領の各教科・領域を合わせた指導形態(学校教育法施行規則第130条)として位置づいており、「体育」と「自立活動」における「人間関係の形成」区分の内容を合わせた指導形態という説明をしています。(※実際は「学習指導要領」に代わる教育課程の根拠として、本校独自に作成した「学習内容表」に置き換えています。)

□ 言語・数量

 言語・数量では、将来の社会生活で必要な言語や数量などの認知的な理解を深める学習を通して、自己効力感(目標にポジティブに向かう力)や他者と関わる力、様々な集団活動に参加する力を身につけることをめざしています。

 中学部では、小学部段階で育まれた言語・数量の基礎的な知識を基盤に、個々の発達段階に応じた学習課題を設定しています。主に学級単位で展開し、日常生活で使う言葉の意味の学習および自分の経験や気持ちを言葉にする力や学校・家庭生活の場面で実際に活用できる数や量の概念を養うことをめざしています。また、学習を通して自己理解(ストレングスとウィークネスの理解)や自己肯定感(自分もできるという自信)を高め、他者の良さにも目を向けられるようにしています。

□ 個のニーズに基づく授業(自立活動)

「個のニーズに基づく授業」は、「個のニーズ(個別教育計画の目標)」の実現をめざした学習です。本校における「個のニーズ」とは、幼児児童生徒一人一人の自立と社会参加及びライフスタイルにあった豊かな家庭・地域での生活を支えるために、「将来」や少し先の「未来」を見通した「本人の願い」の実現に向けてプランさせる「現在の目標」と定義しています。また、子どもの自立と社会参加を支える家庭や地域の生活において求められる「支援者のねがい」がこれに含まれます。

中学部では、1年生から3年生までの縦割りによる小集団または個別で行う指導形態によって「グループ学習」、「なかま・からだ」が設定されています。主に個別教育計画における「基礎学力・体力」、「社会生活技能」の優先目標に基づき、目標別にグループ編成が検討され、個のニーズに基づいた授業づくりが展開されています。なお、グループ編成は年度ごとに検討しています。

 

「グループ学習」

 平成25年度は、「くらし」「ことば」「コミュニケーション」「操作」の4つのグループで展開しました。指導計画の立案は、すべて個別教育計画の目標に基づいていますが、学習内容表上は、「関係の形成と集団参加」領域、「認知」領域、「コミュニケーション」領域、「身体・運動」領域の学習内容が扱われています。

 「くらし」が金銭の学習、「ことば」がことばの使い方や構音の学習、補助代替コミュニケーションの学習、「コミュニケーション」が自他の意識や友達の良いところを知るといった自他理解、役割理解などの学習、「操作」が個々の実態に基づく認知学習や身体の動きの学習を扱っています。また「操作」は、さらに4つのグループに分かれて指導計画が立案されています。

「なかま・からだ」

平成25年度は、「なかま」「からだ」の2グループで展開しました。指導計画の立案は、すべて個別教育計画の目標に基づきますが、学習内容表上は、「関係の形成と集団参加」領域、「コミュニケーション」領域、「身体・運動」領域の学習内容が扱われています。

「なかま」では、人とのかかわりや仲間関係、社会性の課題に重点を置き、さらに2つのグループに分け学習を進めています。「なかま1」では、話し合いや発表、気持ちの学習を通して言葉を用いたよりよいやりとりを学び、「なかま2」では、ボールや積み木、歌や二人三脚など、体や手を動かした様々な活動を通して、友達と楽しみながら共同で活動することを学んでいます。

「からだ」では、主に体力や体の調整力、姿勢の保持、気持ちの安定に関する課題に重点を置き、サーキット運動や風船バレー、ダンス、リラクゼーションなどを通した学習を行っています。また、活動を通して友達に合わせて道具を運ぶといった、共同の活動も取り入れています。

□ 造形

 造形では、様々な活動を通して、感覚を活性化し、感性を磨くことで、自分を表現する力を育み、情操を豊かにする中で、「表現」、「技法」および「鑑賞」の能力を養うことをめざしています。

 中学部では、小学部段階までに形成された表現と技法を基礎にして、さらに多くの素材・題材の制作を経験することにより、視覚や触覚など感覚の発達を促します。また、自分の思いやイメージを表現するための技法の学習や、友達の作品を見ることや自分と友達の作品を比較することを通して、自分や他者の良いところに気づくことをねらいとしています。指導は、学級単位で展開しています。

□ 家庭

 家庭では、明るく豊かな社会生活を営む上で必要な能力を高め、実践的な態度を育てることを通して、卒業後の豊かな生活を見通した以下3つの力を身につけることをめざしています。

・衣食住に関する実践的、体験的活動を通した知識と技能

・積み重ねた知識や技能をいかし、快適な生活を送ろうとする態度

・ 学校生活や家庭生活における自分の役割を自覚するとともに、社会生活への関心を高め、その大切さに気づく

 中学部では、小学部段階までに育まれた知識と技能を基盤として、学校生活や家庭生活が快適に過ごせるよう大人や友達と協力して環境を整えるとともに、生活を豊かにする基本的な知識と技能を「衣食住」の3つの柱に添って学習を進めています。

 指導は、日常生活の指導(健康教育:通称「スマイル」/保健給食部による指導を含む)や「生活」と関連し、学級単位で展開しています。

 

縫製

調理

□ 音楽

 音楽への興味・関心を高め、表現および鑑賞の能力を伸ばす中で、音楽活動への意欲を高めています。様々な活動を通して芸術・文化にふれ、音楽を愛好する心情や豊かな音楽性(音楽に対する感性)を育みます。また、音楽活動を通して社会性を高め、生活を明るく楽しいものにすることをめざしています。

 中学部では、学部集団の中で協力して音楽活動に取り組むこと、音楽的な役割を理解して積極的に参加することを重視し、発表経験を通して認められる経験を積みながら自己肯定感を高めていくことをねらっています。さらに音楽を活かして生活や余暇を明るく豊かにするために、好きな音楽を自分で選んで聴いたり、聴く方法を知ったりすることを扱っています。また、民謡や伝統文化にふれ、意図的に音楽のジャンルの幅を広げていきます。

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