教材教具の紹介

筑波大附属大塚特支のICT、いかがですか?

スマートフォンやタブレットの使用が一般的になり、学校教育現場においてもGIGAスクール構想によって、児童生徒に一人一台の端末と高速通信ネットワークが配備されることになりました。特別支援教育においても例外ではなく、本校もGIGAスクールの実現に向けて少しずつですが動きが出てきました。

 

特別支援教育においてはVOCAや各種スイッチ類に始まり、現在ではタブレットやパワーポイントなどを活用した教育が、各教員の創意工夫で行われているとおもいます。しかし、どこの学校でもそうだと思いますが、教員同士、お互いの教育実践を見合ったり、実践知を共有したりする機会はなかなかないのではないでしょうか。他のクラスにズカズカと入っていくわけにも行きませんしね!

本校でも各先生方の創意工夫によって様々な取り組みが行われています。しかし、その実践をお互いに共有する機会もありませんでした。

 

そこで本校では本年度、新たな校務分掌としてICT教育を立ち上げ、本校の様々なICTを活用した実践を、本ホームページで報告することとしました。

 

この機会にぜひ筑波大学附属大塚特別支援学校の先生方の熱意のこもった実践をご覧いただきたいと思います。

 

ホームページは定期的に更新していきます。

記事もどんどん追加していきますので、お楽しみに!

 

校務分掌ICT教育チーフ、宇佐美太郎


 

メンバー:佐藤義竹(支援部)、若井広太郎(幼稚部)、田上幸太(小学部)、片山忠成(中学部)、宇佐美太郎(高等部)


 

ict@otsuka-s.tsukuba.ac.jp

 

 

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令和2年度

 

 

4/6 iPadのアプリをつかった指導 〜ドロップトークを使ったコミュニケーション指導の実践〜

NEW

〈司 会〉

今回はアプリ「ドロップトーク」について生徒Aさんへの支援事例について、お話を伺います。小学部/髙津先生、中学部/小笠原先生にお越しいただきました。まずは、ドロップトークを導入した経緯などについて、髙津先生に伺いたいと思います。

 

〈髙津T〉

言葉の表出に教育的ニーズを有していたことから、表出の代替手段として活用を検討しました。担任時の本人の様子として、内言語が豊かで、周囲の人と関わりたいといったポジティブな姿がたくさん見られていました。そこでまずは、音声ペンの活用を通して指導・支援を行うことにしました。指導・支援の経過とともに、利便性などの点を考慮しドロップトーク(iPodTouchにインストール)をメインツールとして移行しました。ドロップトークの良さとしては、教員にとっては作成が簡単であること、本人にとって馴染みのあるあるシンボルマークであったことと、相互にとって使いやすい・導入しやすいツールであったことです。

 <ドロップトークの画面>
 <ドロップトークの画面>

〈司 会〉

手立てを引き継ぐといった点では、教員側としてどのような取り組みや連携を図りましたか?

〈髙津T〉

ドロップトークは本人にとっての有効な手立てであり、教育的ニーズに対する合理的な配慮の一つでもありました。小学部内で担任が変わる際には、ツールであるドロップトークをそのまま引き継ぐとともに、「個別の教育支援計画」や「個別の指導計画」にしっかりと位置づけた上で、教員間の引継ぎを行うようにしました。

そして今回、中学部の引継ぎにおいても同じような方法で引継ぎを行わせていただきました。

<小学部 高津教諭>
<小学部 高津教諭>

〈司 会〉

小学部から引継ぎを受けた小笠原先生は、その点についてはどのように思われますか?

 

〈小笠原T〉

本人の生活全体のツールとして十分に機能しているのであれば、進学・進級に左右されずに活用し続けるといった視点が大切だと思います。私たち中学部の担任もそのような視点からこれまでの支援を引継ぎ、学習活動等で活用するようにしました。

また、家庭でも場面に応じてドロップトークを柔軟に使用してくださっているので、家庭と学校で共通理解を得ながら環境整備を行うことができたのはとても大きいと思います。

例えば、コロナ禍により入学からしばらくの間はオンラインでの学習となった際には、保護者の方がドロップトークを上手く活用してくださって、それを使って本人がオンライン学習に参加する姿も見られました。

<中学部 小笠原教諭 >
<中学部 小笠原教諭 >

〈司 会〉

ツールを活用する場合も、家庭との連携はとても大切ですね。家庭とのはどのように連携をされたのでしょうか?

 

〈髙津T〉

以前であれば、音声表出の代替ツールを活用することで、子ども自発的な発語が減ってしまうのではないか不安になるといった意見もあったかと思います。

Aさんについてはお子さんが学校で活用する様子を見聞きしていただく中で、家庭でも導入してみたいと思いを寄せていただき、家庭での活用にも繋がりました。保護者からそのように申し出ていただいたことはとても有難いですね。

 

〈司 会〉

アプリをインストールしているiPodTouchですが、そのケースも工夫されているようです。具体的にどのような工夫をされているかなど、お話を伺えますか?

 

〈髙津T〉

本人が携帯しながら活用できることを一番に考えました。今では、市販製品でも同じようなものが販売されているのですが、当時はそのような状況ではなかったので、肩掛けのケースを手作りしました。

本人が使いやすいツールに配慮することで、様々な場面や場所で自分なりに活用する姿がたくさん見られるようになりました。そして家庭での活用にも広がるなど、学校内に限定されない幅広い活用に繋げることができました。

学校、家庭と生活場面によって内容も変わりますが、本人を中心にその場に応じて柔軟に活用し経験の積み重ねができたことはとても大きいと思います。

 

<iPodTouchと肩掛けケース>
<iPodTouchと肩掛けケース>

〈小笠原T〉

中学部でも本人にとっての使いやすさを大切にしています。進学に伴い環境は大きく変わりましたが、小学部時のものをそのまま使うことで、ツールの活用についてはスムーズでした。

<作業学習 教員への報告での活用>
<作業学習 教員への報告での活用>

〈司 会〉

学級全体の様子はどうでしょうか?

 

〈小笠原T〉

様々な学級集団があると思いますが、現在のクラスでは本人がドロップトークを操作しようとすると、周りの生徒たちが静かに聞こうとするといった自発的な姿が見られています。本人にとっても、また周囲の生徒たちにとっても自分の思いを伝える・相手の思いを聞くことについて、とても良い学びになっています。

 

〈司 会〉

現在の活用の様子について教えてください

 

〈小笠原T〉

授業場面では、始業時の挨拶、教室移動時の号令、ALTの先生とのコミュニケーション、係活動など色々な使い方をしています。自由時間などの遊びの場面ではじゃんけんに使うこともあります。

<日直の朝の会での活用>
<日直の朝の会での活用>

〈司 会〉

小学部からの積み重ね、生活ステージに応じた柔軟な使い方といった視点がとても大切ですね。このように活用の幅が広がる一つの要因になったのは、やはり作成のしやすさもあるのでしょうか?

 

〈髙津T〉

実際に手に取っていただくと、様々な作成方法があり手順も比較的シンプルに操作できます。

作り手側も手に取って色々操作してみることは大切ですね。本人も使い慣れてくると自分でページを作成し、そのページを使って相手とコミュニケーションを楽しむといった姿も見られました。

 

〈小笠原T〉

実際のツールを手に取りながら引継ぎを行ったのですが、枠の内部はアレンジしやすい作りなので、早い時期から場面を想定しながら色々なページを作っていました。中学部では授業時数や授業時間が多くなったこともあり、自由時間の設定が難しい部分もあるのですが、可能であれば何気ない時間に先生や友達とコミュニケーションを楽しむ機会を作っていきたいと思います。中学生になって本人も相手に伝えたい・伝えてみたいという思いに変化があると思います。

 

〈司 会〉

丁寧な引継ぎと環境の配慮など、様々なお話を伺うことができました。先ほどお話にあったように「中学生」を考えた時には、今までのコミュニケーションに加えて、新たな活用が考えられそうですね。

 

〈小笠原T〉

中学生は思春期を迎える時期でもあるので、自分の内面の気持ちを伝えることができるようなツールになればいいと思います。本人の様々な伝えたい・伝えてみたいといった思いを育んでいけるよう使い方を工夫していきたいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

3/24 特別なアプリを使わない教育実践 ~ タブレットに備えられた機能を活用した実践事例の紹介2 ~

 

 前回に引き続き、iPadに元々入っているアプリや無料アプリ、iPadの機能を用いた教育実践をご紹介していきたいと思います。 

 

〈片山T〉

 生活単元学習の植物観察では、植物の変化をiPadのカメラ機能を使って記録をつけています。撮影した写真に観察して気づいたことや考えたことを書き込むようにすることで、写真一枚で観察記録を作成できるようにしました。

 

〈司会〉

 実際にどのように観察記録を作るのか実演をお願いしても良いですか?

 

〈片山T〉

 撮影した写真にそのまま文字を書き込むこともできますが、今回は「Phonto」という無料アプリを使って記録を作りました。

 このようなタブレット端末の長所として、多様な手段での記録・文章の作成ができるということが考えられます。入力方法は音声、タッチペン、手書き、キーボード入力が利用でき、生徒に応じて方法を選びながら取り組むことができたのは良かったです。また、キーボード入力も、ローマ字入力とかな入力の2つが選択できるところも魅力的な部分です。

 実際に取り組む中で、「相手が読みやすい文字色は何だろう」などと考える生徒や記録を重ねるごとに気づいたことをたくさん記入するようになった生徒もいるなど、生徒たちの前向きな姿が多くみられるようになりました。 

PhontoとiPadの音声入力を用いて写真に文字を入力
PhontoとiPadの音声入力を用いて写真に文字を入力

〈司会〉

 生徒の前向きな変容が見られるようになったのはごいですね。中には手で書くことが難しかったり、書くことに苦手意識や抵抗感を抱いたりする児童生徒もいます。自分の考えた文章や言葉を様々な方法で文字につなげる活動は、そのような児童生徒にとっても、活動により前向きに参加するための手立てになると思います。意欲的な活動参加が表現力を育み、読み手の見やすさを気遣うなどの主体的な姿につながったのではないだろうかと感じました。また子どもたちの自尊感情を高めるのに良いですね。

 さて、では他に、カメラ機能を活用した実践はありますか?

 

 

〈片山T〉

 附属高校との交流学習に使う自己紹介の動画を撮りました。発表する生徒の後ろに自己紹介カードを貼り、自分の視線や表情を見ながら話すことで、安心感を持って取り組めることができたと思います。

 

〈司会〉

 インカメラで録画するということですね。一生懸命画面を見ながら話せていますね。生徒達の反応はどうでしたか?

〈片山T〉

 本校の生徒は自信を持ってできたと思います。また附属高校の生徒の自己紹介ビデオと見比べながら、楽しむ様子も見られました。

インカメラを用いた自己紹介
インカメラを用いた自己紹介

〈司会〉

 自分が写っている様子を見ながら話すことは、なかなか難しいと思いますが、みんな楽しそうですね。

 その他、元々入ってるアプリケーションを使った学習はどのようなものがありますか?

 

〈島T〉

 フェイスタイムなどの通話アプリは、昨年度から活用をしています。今年度は新型コロナウィルス感染症対策から自宅で学習をする生徒に対する遠隔授業を行いました。昨年は、修学旅行の事前学習で行き先の映像中継を行いました。事前に臨場感のある中継映像を見ることで、ここに行きたいという、生徒達の期待感も高まり、盛り上がりました。

 また今年度は中学部でも生徒自身がパソコンを操作し、iMovie(動画編集ソフト)を使った動画作成に取り組みました。iMovieの中で予告編を作成できる機能があるのですが、予め生徒が撮った写真等を使って、短い動画を作りました。動画作成というキーワードが出てくるだけで、生徒は盛り上がっていました。またそれぞれが作成した動画をお互いに見たりし、より授業参加への意欲が高まったと思います。またGoogleマップも授業に活用できるアプリです。地図についての学習に加えて、自分の家から目的地まで何分かかるか、移動する際にどこで乗り換えるかとかを合わせて調べられるところが良さです。またここまではどれくらいの時間で行かないといけないか、などの時間の見通しを学ぶことができるのも良いところだと思いました。

 その他に中学部では、iPadのメモ機能を使い、Apple Pencil で授業の約束事などをメモ書きするという取り組みも行っています。約束を思い出すことだけでなく、約束を守れて良かったこともメモに記録して振り返りをしています。約束を確認する際には、iPadの画面を見ることで、思い出すことができます。保存や印刷ができるホワイトボードのような使い方です。使い方に慣れてくると、自分でさらにいろいろと書きこむ生徒も出てきます。本来のメモ帳のような使い方ですが、iPadのメモは写真も貼れるので、さらに便利ですね。

 

〈司会〉

 なるほど。様々な実践を紹介していただきありがとうございました。教員の創意工夫で多様な実践ができるということを改めて気づくことができました。本日はありがとうございました。

 

 

2/10 特別なアプリを使わない!?  ~タブレットにもともと備えられた機能を活用した実践事例の紹介~

 

 GIGAスクールの実現によって、知的障害特別支援学校の小学部と中学部にも一人一台の端末が整備されることになります。どのような端末を配備するか、各教育委員会などで検討はされていると思います。

 本校では1990年代後半頃からHyperCard(Macintosh、いまのアップルコンピュータ、Macで動作する、ゲームの制作、簡単なプログラムの開発ができるアプリケーションです。いや〜なつかしい!)を使って、生徒一人ひとりの発達や障害の状況に応じた教材を作成していたこともあり、アップル社製品を使用している教諭が多く、GIGAスクールにおいてもiPadを導入することになっています。

 タブレットなどを学校としてはじめて導入する際、どのようなアプリケーションを使えばいいのか?有料アプリの決済はどうしたらいいのか?そもそもどう使えばいいのか?機器の使用開始に至るまで検討することは山積みです…。本校も最初は手探り状態で始めていました。

 そこで、「筑波大附属大塚特別支援学校のICT、いかがですか?」では本校でどのようにiPadを活用しているのか、まずその使用方法について数回にわたってお伝えしたいと思います!

 まず初回の今回は、特別なアプリを使わないタブレットの活用実践についてお送りいたします。

 

〈司会〉

 ICTは、何か特別なアプリやソフトがなければできないのかというとそうでもないと思います。

 中学部では、iPadに元々入っているアプリや機能をうまく使って学習を進めていると聞きました。今日は、中学部を代表してお二人の先生に実践についてお話を伺いたいと思います。

司会:宇佐美教諭
司会:宇佐美教諭

〈島教諭〉

 自分を客観的に見る(振返る)ことは、知的障害のある生徒にとって課題の一つだと思うのですが、やはり動画や写真を用いることで、より客観的・具体的に振返ることができます。

 例えば中学部3年では、姿勢のチェックではiPadの画面を出して振り返り、「足がついてないね」「手の位置が違うね」と一緒に確認し、「どんな姿勢だと良いかな」と働きかけることで生徒自身が適切な姿勢に気付くことができるようなやりとりに配慮しています。

 また体育(陸上競技)では、「投げる時の腕の動き」や「ボールの握り方」などについて、画面を見ながら教師と一緒に振り返ることで、生徒自身が体の動かし方や道具の使い方を考えるようにしています。このように、自分で体の動きを考えたり工夫したりするという点で有効なツールだと思います。

島教諭
島教諭

                                    島教諭

〈司会〉

 具体的な振り返りの方法としては、プロジェクターやiPadがあると思いますが、どのような形で行いますか?

 

〈島教諭〉

 体育館や教室では、主にスクリーンに映し出したりしています。屋外ではその場でiPadに撮影した画像を振り返ります。 

 今、ジャべリックスローというボールを使っていますが、独特な形と持ち方をするボールです。活動前に教師が持ち方の見本を示すようにしていますが、実際に生徒が投げた後に、録画した映像を使ってボールの持ち方や一連の投げる動作を振り返るようにしています。映像を活用することで、生徒自身もイメージしやすい様子が見られています。 

 

ジャベリックスロー
ジャベリックスロー

〈司会〉

 姿勢やボールの持ち方などをiPadで確認できと分かりやすいですね。お話を聞いて、実際に教師が見本を示すよりも映像で確認できる方が分かりやすいのかも知れないと思いました。

 中学部1年生(片山先生)はどうですか?

インタビューの様子
インタビューの様子

〈片山教諭〉

 中1も同じように体育で活用しています。立ち幅跳び、ジャベリックスロー、30メートル走などで使いました。中学部全体に共通する部分ですが、iPadで撮ったムービーを通常の速度で再生するだけでなく、活動内容や生徒の実態に応じて再生速度に配慮することも大切な視点かもしれません。スロー再生しながら生徒の良かったところを振り返るとともに、次の目標を一緒に確認するようにしています。

 

iPadで撮影した動画を用いた振り返り
iPadで撮影した動画を用いた振り返り

〈島教諭〉

 フェイスタイムなどの通話アプリは、昨年度から活用をしています。今年度は新型コロナウィルス感染症対策から自宅で学習をする生徒に対する遠隔授業を行いました。昨年は、修学旅行の事前学習で行き先の映像中継を行いました。事前に臨場感のある中継映像を見ることで、ここに行きたいという、生徒達の期待感も高まり、盛り上がりました。

 また今年度は中学部でも生徒自身がパソコンを操作し、iMovie(動画編集ソフト)を使った動画作成に取り組みました。iMovieの中で予告編を作成できる機能があるのですが、予め生徒が撮った写真等を使って、短い動画を作りました。動画作成というキーワードが出てくるだけで、生徒は盛り上がっていました。またそれぞれが作成した動画をお互いに見たりし、より授業参加への意欲が高まったと思います。またGoogleマップも授業に活用できるアプリです。地図についての学習に加えて、自分の家から目的地まで何分かかるか、移動する際にどこで乗り換えるかとかを合わせて調べられるところが良さです。またここまではどれくらいの時間で行かないといけないか、などの時間の見通しを学ぶことができるのも良いところだと思いました。

 その他に中学部では、iPadのメモ機能を使い、Apple Pencil で授業の約束事などをメモ書きするという取り組みも行っています。約束を思い出すことだけでなく、約束を守れて良かったこともメモに記録して振り返りをしています。約束を確認する際には、iPadの画面を見ることで、思い出すことができます。保存や印刷ができるホワイトボードのような使い方です。使い方に慣れてくると、自分でさらにいろいろと書きこむ生徒も出てきます。本来のメモ帳のような使い方ですが、iPadのメモは写真も貼れるので、さらに便利ですね。

 

〈司会〉

 なるほど。様々な実践を紹介していただきありがとうございました。教員の創意工夫で多様な実践ができるということを改めて気づくことができました。本日はありがとうございました。

 

 次回は生活単元学習等、様々な場面でiPadの機能が活用されているのかをご紹介していきたいと思います。

 

 

 

1/26 全校集会を配信するための機材セッティング 〜ZOOMを使って各教室と繋がろう〜

 

 今回は宇佐美の方から、ZOOMで集会の中継を行う際の機材セッティングについて説明させていただきたいと思います。

目的は二つです。

まずは色々な場面を写せるようにカメラがきちんと動かせること。そしてもう一つは集音マイクや棒マイクを使うと同時にパソコンから流れる音も配信できるようにすることです。

 

・使用した機材

今回、使用する機材は以下の通りです。

 

・ZOOMでミーティングを開催するためのパソコン(MacBook Pro)

・カメラとして使用するiPad(第7世代)

マイク2類(集音マイク、ハンドマイク)

・ミキサーとして使うZOOM PodTrak P4 ポッドキャストレコーダー

・音を確認するためのヘッドフォン

・収録会場に音を流すためのモニター用スピーカー

・収録会場にいる生徒が画面を見るための大型液晶ディスプレイ

・iPadをカメラに!

 通常、ZOOMなどをつかって通話をする際は、パソコンのインカメラ(多分、画面の上部についていますよね)をつかって自分の姿を写すことが多いかと思います。これは話をしている人だけを写すといった、動きのないものを写すときには特に不便を感じないのですが、あっちで話している人を写したり、誰かの動きを追ったりといった、場面の展開や動いているものを写したりする時は、パソコンそのものを動かさなければならず、結構大変です。

 そのため、本校では教育現場に多く導入されているiPadを移動できるカメラとして活用しています。

 

 iPadにはカメラとしてiPadをパソコン(ZOOM)とつなぐためにEpocCamというアプリをインストールします。(Windowsでは「iVcam」というソフトを使って、iPadをカメラにしています)

有償版もあるのですが学校で使用しているのは無料版です。

何が違うのかというと、有償版だと解像度がHDになりますが無料版は解像度が落ちます。

またiPad上に広告が入りますが、ZOOMの画面には反映されないので使用には問題ありません。

 まず「EpocCam」をインストールしてください。パソコンの方にもドライバをインストールする必要がありますので、インストールをしておいてください。iPadに「EpocCam」をインストールして、最初にパソコンとUSBもしくはWi-Fiで繋ぐと、パソコンにもドライバをインストールしてくださいというメッセージが出ますので、画面の指示に従ってインストールをします。

 

iPadで「EpocCam」を起動してUSBもしくはWi-Fiでパソコンとリンクし(二回目からは勝手に繋がります)、ZOOMの「ビデオの開始」の脇にある三角をクリックすると、メニューに「EpocCam」が表示されるのでそちらを選択すると、iPadで写してるものがズームの画面に映ります。

・マイクとミキサーのセッティング

それではマイクのセッティングをしていきたいと思います

まず必要なのはこの「PodTrak P4」こちらがミキサーになります

こちらにマイクの入力があり、4系統の入力ができます。

機材表面の1〜4のボリュームスイッチが対応していますので、一系統ずつ入力の音量を変えることができます。

機材下部には4系統の出力があり、入力と同様に1〜4のボリュームスイッチが対応しています。

こちらにヘッドホンとモニター用スピーカを接続し、モニターをしながら音量の調整をしたりしていくことになります。

次はマイクです。

集音マイクはスタンドにはめて、床面に置きます。集音マイクは複数人の声やマイクを使わないで話す人の声を拾う役割を担います。

同様にハンドマイクを準備し、両方ともキャノンコネクターというコネクターを使って、「PodTrak P4」とつなぎます。

今度はパソコンと「PodTrak P4」をつなげていきたいと思います。

「PodTrak P4」を電源に繋いだら、その隣にあるUSB-CとパソコンをUSBケーブルで繋ぎます。特にパソコンに何かをインストールする必要はありません。

写真左側の赤いケーブルが電源、右側の黒いケーブルがパソコンとつながっています。

この「PodTrak P4」なんですがミキサーとしてパソコンにつないで、マイクの音をミキシングしてパソコンに入れるという以外にも、SDカードを入れて「PodTrak P4」単体で録音することができます。本校では中学部が歌の録音に使ったとのことでした。

 

まずはシステム上のセッティングをします。パソコンの音声出力を「ZOOM P4 Audio」にします。このような設定をすることによって、パソコンで再生された音声が一度「PodTrak P4」に入力されてミキシングされたのちに、パソコンに戻るという状況になります。例えばZOOMの画面共有を使って音楽を流したり、YouTubeの動画を音声付きで参加者に視聴してもらうことが可能になります。

配信時にはZOOMのマイクとスピーカーを「ZOOM P4 Audio」に設定してください。

・収録会場に音を流すモニタースピーカーの設定

 最後に、モニターをするためのヘッドフォンとスピーカーのセッティングです。

現在の設定だとパソコンの音の出力が「PodTrak P4」になってしまっているのでパソコンのスピーカーから音が出なくなっています。

参加者の音を声を聞いたり、パソコンで流している音楽を収録会場に流すために、外部スピーカを、音量の調整やマイクのオンオフなど、「PodTrak P4」の操作をするためにヘッドフォンを接続します。

ただこの状態でスピーカーの音量を高くして使ってしまうと、その音を集音マイクが拾ってハウリングを起こしてしまうので気をつけてください。「PodTrak P4」にはマイク入力のオンオフができるボタンがありますので、集音マイクやハンドマイクは使わない時はここを切ってオフにすると良いでしょう。

実際に生徒が合同朝会を運営している様子

以上で「ZOOMで集会の中継を行う際の機材セッティング」は終了になります。

 

次回は2月初旬、中学部におけるiPadを活用した授業実践についてお送りする予定です。

おたのしみに!

1/13 「附属大塚のオンライン学習について語ろう!〜これからのオンライン学習の展開と、体育館と各教室をZOOMでつないだ新しいオンライン全校朝会の実践〜」

 

本校で今年度行ってきたオンライン学習のうち、今回はZoomを活用した実践について、座談会形式での情報交換を行いました。幼稚部から高等部までの教員11名が参加し、各部における様々な取り組みの現状が見えてきました。いくつかの話題にまとめて紹介します。

 最終回の今回は、これからのオンライン学習の展望について、そして、一斉登校再開後に本校で実施されている、蜜を避けるために、ZOOMを使って各教室から参加する『オンライン全校朝会』の実践について、生徒のインタビューとともにご紹介いたします!

 

座談会実施日:2020年8月27日

オンライン全校朝会の取材:2020年10月16日

 

参加者

司会:宇佐美教諭✳️

幼稚部:若井教諭✳️、飯島教諭

小学部:鴫原教諭、田上教諭✳️、高津教諭

中学部:片山教諭✳️、岩切教諭、島教諭

高等部:山口教諭、藤本教諭

 

✳️分掌ICT教育メンバー

 

5.これからのオンライン学習の展望  

<小学部> 

「保護者も一緒に参加をしてくださっていましたが、休校が明けて分散登校が始まると逆に保護者の方が『オンライン学習ロス』になり、寂しくなってしまったとのこと。それだけ楽しんで参加されていた方が多かったように思えました。」 

<幼稚部> 

「幼稚部でも同じようなことがありました。休校中は親子の遊びを紹介していたのですが、分散登校が始まってからは、幼稚部での様子を参観したいという要望が出てきて、保護者のみなさんがご自宅からオンラインで参加し、幼児は幼稚部から一緒に参加することもありました。」→司会「プチ授業参観ですね。」 

「自分の子どもの登園日でなくても参加して下さる保護者もいました、他の曜日がどのように活動をしているのかを知りたいという要望もありました。」 

「また保護者のみなさんが一緒に参加する中、どのようにすれば子どもたちに伝わるのかを考えて、工夫をしてくださる様子もうかがえました。先生というよりピア(仲間)という感じでした。一緒にやってくれているお友達のお母さんに、「おーい」を手を振ったり、画面越しでタッチをしたりすることで、関わりがより広がった印象があります。」 

「7月に入って毎日登園がはじまってから、Zoomでのあつまりの回数は少なくなりましたが、保護者がZoomに参画できる機会は継続して設けたいと思っています。夏休み中もZoomによるあつまりを2回ほど行いました。今回の状況が収束した後も、Zoomの取り組みは、様々な形で残っていくのではないでしょうか。」 

 

「各学部の話を聞いてみて、実際に実践の話を聞いていると、ZOOM単体でなく、教育活動に応じて、多様なツール・教材教具を組み合わせながら活用することが大切だと思いました。幼稚部でもペープサートを準備するなど、実物も使い分けながら活動を進めることで、子供たちの主体的な参加につなげることができたと感じています。また日々の実践を通して、教員側も使い方の拡がりが見られるようになったと感じます。ICTツールをまず使ってみる段階から、工夫して活用する段階に入っているように感じています。今後、集団活動だけでなく個別活動における活用方法など、ZOOMでできることと、難しいことなどを明らかにできると良いと思います。」 

 

司会「今回の座談会を通して、個人的にはZOOMなどのツールは知的障害・自閉症のある幼児児童生徒にとっても有効なツールであると思いました。提示の仕方を工夫することで注目がしやすいなどの利点もあります。今後も多様な活用が期待されると思われます。積極的に特別支援教育への活用を図るような展開をしていくことが大切なのではないかと思いました。」 

 

 

 

「オンライン全校朝会」レポート

 

生徒会組織の一つ、朝会委員会(高等部)が開催している、ZOOMを使った「オンライン全校朝会」の様子を取材しました。

 

例年は週一回、体育館に全校生徒が集まって行なっていた全校朝会(本校では合同朝会と呼んでいます。以下、「合同朝会」とします。)ですが、コロナ禍により体育館に全校生徒が集合することができなくなってしまいました。そこで、体育館をスタジオとして朝会委員会のメンバーが合同朝会の運営を行いZOOMで配信、全校の生徒は各クラスルームから参加するという形式をとることにしました。

一斉登校開始直後はほぼ全ての準備や運営を教師が行なっていましたが、回数を重ね、練習も重ね、現在では生徒たちもかなりの準備や操作ができるようになってきました。

 

登校後、8:40から準備が始まります。6名の生徒で協力して、体育館に機材(モニター、iPad、デジタルミキサー、ビデオプロジェクター)を設置します。感染症対策のために、窓を開けて換気をすることも自分達で気づいて行なっています。

準備が終わると、事前ミーティングです。事前ミーティングでは、その日の内容と役割を担当します。

この日の合同朝会の内容は、

1.校長先生のお話

2.10月のお誕生者会

3.ダンス企画(足が速くなるダンスを踊ってみよう!)

でした。

また役割として、下記の6つを分担し、その内容を確認しました。

1.パソコン(PC)担当(Aさん):パソコンを操作し、Zoom(オンライン会議ソフト)の接続や、画面共有などを行う。

2.司会担当(Bさん):司会原稿を基に、マイクを使って会の進行を行う。

3. 音声担当(Cさん):デジタルミキサーを操作し、複数のマイクの音量の確認と切り替えを行う。

4.企画担当(Dさん):この日の企画(足が速くなるダンス)の進行とモデルを行う。

5.カメラ担当(Eさん):iPadのビデオカメラ機能を用い、話者に合わせてカメラの位置やズームの調整を行う。

6.スライド担当(Fさん):話者のタイミングに合わせて、進行用のスライドを進める。

これまで必要に応じて役割を設け、お互いの役割がわかるように、交代をしながら行ってきたそうです。次第にそれぞれの役割の特徴と、各生徒の得意なことが明らかになってきたため、今後は各担当を固定性にしてより技術を高めるそうです。

 役割の確認の次はリハーサルです。上記の内容を一通り短時間で行います。委員会の生徒も、また教員も、緊張感が高まってきます。

 直前の機器トラブル等があり、予定の9:05より5分ほど遅れて、合同朝会が開始!画面の向こう側には各学級の幼児児童生徒が期待をして待っている様子が映っています。

 リハーサルの効果もあってか、本番中は特に大きなトラブルは無く、無事終了。各担当の生徒がお互いの様子や、画面に映った各学級の様子を確認しながら、それぞれの役割を担っている姿に感動しました!ナイスチームワーク!

合同朝会が終了した後、朝会委員会の生徒の皆さんに、お話を伺いました。

<教員>「Zoomを使っての合同朝会で上手にできたことや難しかったことは何ですか?」

<PC担当Aさん>「操作が難しかったです。これまでで、1回練習をしました。画面を切り替えるところを頑張りたいです。」

<司会担当Bさん>「顔を上げてはっきりと話すことを頑張りました。」

<音声担当Cさん>「ヘッドホンをしていたら、Bさんの声がはっきりと聞こえました。とても上手でした!(拍手)」

<ダンス企画担当Dさん>「足が速くなるダンスをしたのですが、どうやったら(曲と)動きが上手に合うようになるか、知りたいです。次は頑張りたいです。」

<カメラ担当Eさん>「カメラを動かすことは難しかったけれど、上手に写すことができました。」

<教員>「どうやったら上手に写すことができますか?何か工夫したことはありますか?」→<Eさん>「(話している人が)真ん中に映るように、(カメラを)動かすことです。」

<教員>「スライド担当のFさんは、どのようにスライドを操作していたんですか?」

→<スライド担当Fさん>(マウスポインタ:ロジクール社製 スポットライト のボタンを押して、操作を実演)→<教員>「なるほど、そのボタンを押してスライドを進めていたんですね!すごい!」→(皆、拍手!)

これからも附属大塚の「オンライン合同朝会」は続きます。

新しい活動の様式の一つとして、さらに取り組みを深め、幼稚部から高等部まで全校で盛り上げていきたいと考えます。

 

朝会委員会の生徒の皆さん、お疲れ様でした! そして、ありがとうございました!

 

インタビューアー:若井広太郎

写真:佐藤義竹

構成:若井広太郎・佐藤義竹・宇佐美太郎

 

みなさん、いかがでしたでしょうか?

知的障害のある生徒でもこんなにできるようになるんだ!と指導をしていながらびっくりしてしまいました!

 

さて、次回の「筑波大附属大塚特支のICT、いかがですか?」は今回レポートをした合同朝会の機器セッティングについて、くわしくお伝えしたいと思います。おたのしみに!

 

 

 

12/17 「附属大塚のオンライン学習について語ろう!〜オンライン学習における家族の負担、そして参加しやすさと分かりやすさへの配慮〜」

 本校で今年度行ってきたオンライン学習のうち、今回はZoomを活用した実践について、座談会形式での情報交換を行いました。幼稚部から高等部までの教員11名が参加し、各部における様々な取り組みの現状が見えてきました。いくつかの話題にまとめて紹介します。

 4回目の今回は、ZOOMを使用した学習活動における家族の負担、そして参加しやすさと分かりやすさへの配慮についてご紹介いたします!

 

実施日:2020年8月27日

 

参加者

司会:宇佐美教諭✳️

幼稚部:若井教諭✳️、飯島教諭

小学部:鴫原教諭、田上教諭✳️、高津教諭

中学部:片山教諭✳️、岩切教諭、島教諭

高等部:山口教諭、藤本教諭

 

✳️分掌ICT教育メンバー

 

3.家族の負担について 

<司会> 

「保護者の負担ってどうなんですかね。幼稚部なんかは多分、保護者の方が設定やら何やらみんなやらないと、接続ができないんじゃないですか?」 

座談会会場
座談会会場

 

<幼稚部> 

「負担はあるとおもいます。そのため、幼稚部は機会を増やして、可能な時に参加してもらうようにしました。また、Zoomにこだわり過ぎずに、電話や画像のオンデマンド配信など、いくつかの方法を使って、幼児や保護者のみなさんとやりとりをするようにしました。特に初めて集団活動を経験する新入生については、幼児に直接アプローチすることが難しいので、電話で保護者の方に『参加の様子はどうですか?』などとご家庭での幼児の様子を聞いたりしました。」 

 

<小学部> 

「小学部は学年が低くなるにつれて、活動へ参加するのに親のサポートが必要になってくるので、最初にまずどの曜日のどの時間ならできるかという聞き取り調査を行い、一番参加しやすい時間帯を設定しました。またご家庭によってはご両親が共働きだったりするので、どうしても参加機会に差が出てしまうけれど、それは保護者のみなさんにも事前に確認をしました。」 

「また学級によっては別途、お母さんが参加できる時間に個別の対応をした例もありました。まだ自分だけで参加をすることは高学年の児童でも難しいです。」 

UDトークを用いて座談会の記録をとりました
UDトークを用いて座談会の記録をとりました

 

<中学部> 

「デイサービスを利用していて、オンライン授業を行っている時間に来られない生徒もいました。機器の使い方については、最初のうちは全体的に保護者のみなさんが支援をしてくださる場合も多かったんですけど、徐々に自分でできる生徒が出てきました。中盤あたりから、何回か経験の回数を重ねることで、自分で接続して、保護者の見守りなしで参加できるようになった生徒が2名ほどいました。 

「2年生も両親が共働きで、家に1人になるため参加ができないという例がありました。パスワードをなるべく単純なものに変えたところ、自分自身でログインすることができるようになりました。最初はミュートにするとか、ビデオオフ、チャット等ができなくて戸惑ったりする様子もありましたが、やり方を教えることで、覚えて使えるようになりました。 

〈司会〉

「パスワードなしのリンクっていうのもあって、それをクリックすれば入れる設定もあります。高等部はみんなその方法で接続をしていたかと思います。」 

UDトークを用いた座談会の記録②
UDトークを用いた座談会の記録②

<高等部> 

「生徒のみで参加できる割合については、3年生は半々ですね。半分が自分でできて半分が保護者の支援、見守りがないと入りづらい。あと写真の共有とかを徐々にやっていったのですが、自分だけの力では共有が難しいという例がありました。」 

「3年生は、生徒が個人のメールアドレスを持っていて、そこにも招待メールを送ってくださいという生徒もいましたね。Aさんは自分でiPadを持っていて、お母さんと同じ招待メールをAさんにも送りました。そうすると自分でメールを見て、クリックをして入ってきてくれて。そんな風にやってましたね。」 

「1年生は、画面には映らないんですけれども、多分全員、保護者の方が横におられたようでした。接続は保護者の方が行ってくださったのだと思います。ご両親のお仕事があったりする時にはお休みする生徒もいました。」 

宇佐美教諭
宇佐美教諭

4.幼児児童生徒にとって、Zoomへの参加のしやすさ、分かりやすさに関する工夫 

<幼稚部> 

「幼稚部全体でのあつまりを行うにあたって、まず新入生には個別でZOOMの接続確認をした後、顔合わせのミーティングをしました。それで保護者の方々もスムーズに入学しやすくなったのかなと思います。」 

「ご家庭の様子を見られて欲しくない方もいらっしゃるかなと思ったので、バーチャル背景の設定方法などを学級通信でお知らせしました。zoomが初めての保護者のみなさんも工夫して参加ができたのではないかと思います。」 

<小学部> 

「はな組(1.2年生)は、そもそも直接会ったことがない友達もいるので、やりとりが成り立つかどうかを考えました。さっき個別に対応するという工夫もあったんですけども、私たちの学級では、予め行うことをDVDで各ご家庭に送っておいて、DVDのやり方に従って同じことをやるっていうことをやっていましたね。多分大きくなっていくとiPadのようなICTを自ら使って、どういう風に勉強するかっていうところが大切だと思うんですけども、小学部低学年の児童の場合は、まずそのICTをつかって勉強することに慣れるっていうのが、メインになっていくのかなと思います。」

〈司会〉

「最初にDVD作って送ったんだ!大変だったね。」

 

「小学部で話した時に、一斉登校が始まる前にZoomで顔合わせができたのは大きかったという意見がありました。登校が始まってから小学部全体で集まった際に、はな組の児童は初めて会ったのに、みんな、ちゃんと名前も覚えていて、すごいな〜と思いました。準備は大変だったとは思うけれど、工夫をすることで子どもたち同士の興味関心と保護者の満足感はすごく高まったと思います。」 

鴫原教諭
鴫原教諭

次回は、知的障害教育におけるこれからのオンライン学習の展望、そして現在、大塚特別支援学校で行われているZOOMをつかった全校集会の様子について報告させていただきます。

 

年明け、1月初旬に掲載予定です、お楽しみに!

11/25 これは使える!アイテム編① Logicool「SPOTLIGHT」

 

今回の記事はいったんZOOMの話題から離れ、普段、面白くて機能的なICT機器やアプリを楽しく効果的に活用して実践する先生方から、オススメのICT機器や、機器を使った実践を紹介していただきます。どうぞリラックスして楽しみながらお読みください!そして、面白そう!使ってみたいと思っていただければ嬉しいです。

左:若井教諭(インタビューアー)、右:宇佐美教諭
左:若井教諭(インタビューアー)、右:宇佐美教諭

――これからインタビューを始めます。よろしくお願いします。今日は、高等部の宇佐美 太郎(うさみ たろう)先生に、便利なポインターについてのお話を伺いますが、これはどういうものなんですか?

 

宇佐美:プレゼンテーションや発表をする時に、ポインターやレーザーポインターを使うと思うんですけれども、このレーザーポインターが進化したアイテムがあります。何というアイテムかというと、ロジクールという機器メーカーが出している『SPOTLIGHT(スポットライト)』というポインタになります。

SPOTLIGHT(logicool社製)
SPOTLIGHT(logicool社製)

――スポットライトですけれども、どうしてこれを使おうと思われたんですか。

 

宇佐美:学会で発表している方が使っているのを見たのがきっかけです。このポインターを授業で使ったら、生徒達の集中が上がるんじゃないかな、見てほしいところをよく見てくれるんじゃないかなと思って試しに使ったところ、非常に生徒達の集中がよく、画面をよく見てくれるようになりました。」

宇佐美太郎教諭
宇佐美太郎教諭

――このポインターの便利な特長について少し詳しくお話を伺えますか。

 

宇佐美:通常レーザーポインターと言うと、光で一点をさして、ここに注目してくださいというふうに示していると思います。最近は横の線で示す物もありますね。このロジクールの『SPOTLIGHT(スポットライト)』は、レーザーでポイントを示すことに加えて、示しているところを白抜きにすることができたり、示したい所を拡大表示したりすることができるのです。」

――まさに画面にスポットライトを当てるという使い方ができるのが一番の特長なんですね。知的障害のある児童生徒にどのようにこのポインタを使っていますか。

 

宇佐美:最近ではプロジェクターを使って、パワーポイントの資料など、あらかじめ作ったプレゼンテーションを生徒に示して授業を行うことが多くなっています。メインで使っているのは、MicrosoftのパワーポイントやAppleのキーノートなどです。これまでもレーザーポインターを使っていたんですが、ポイントが小さく、生徒達が探すことの難しさがありました。知的障害の児童生徒にとっては、どうしても視覚情報が多くなる傾向にあり、いろんな情報が目に入ってきてしまいます。そのため、画面のどこを見ていいか分からなくなってしまうということがあると思います。このポインターを使い、見てほしいところだけ明るくして、それ以外のところは暗くするという「強調表示」機能や見せたいところだけを拡大する「拡大表示」機能を使いました。その結果、やはり暗くなったところは見なくていいんだ、白いところを見るんだってことが一目瞭然になったと思います

 

――なるほど、知的障害のある児童生徒にとって、画面が見やすくなりそうだということがわかりました。具体的に授業で活用した例があれば、教えていただけますか?

 

宇佐美:今本校の高等部では、『15,16,17歳の地図』と言って、自分の人生をどういう風に歩んでいこうかという見通しを図にしたものを、生徒一人ずつ作っています。それを他の生徒や教員の前で発表をする授業をするんですけれども、そこでも生徒自身がこのポインタを使いこなしています。自分で発表するところを友達に示すために、クリックをしてハイライトにします。『私はこんなことを頑張ったので、ここに○がつきました。』というコメントに合わせてスポットライトで示しています。また、私が授業の中で、パワーポイントなどのプレゼンテーションを出して使う時にももちろん、これを使っています。

強調表示機能を使って発表をする生徒
強調表示機能を使って発表をする生徒

――宇佐美先生が授業をするときに使うだけでなく、生徒自身が振り返りをしたり、友達や他の先生方に自分の頑張ったことを伝えたりする時に、このポインタが使えたということですね。

 

宇佐美:あと、踊りの練習などにも使います。今年度はコロナ禍で三密を避けなければならない状況なので、例年のような学園祭ができないんですけれども、学園祭で毎年高等部の生徒が踊る踊りに、『花笠音頭』があります。師範ビデオを用いて踊りのポイントを示す際、例えば手の動きだけを見て欲しい時に、動画を流しながらスポットライトで部分を拡大して示しています。あとは、実際に生徒が踊る様子をビデオに撮り、事後に振り返る際に、具体的にスポットライトで部分を示して、『ここをこういう風に頑張ろうね』伝えています。

 

――まさにこのポインタを使うことで、生徒達がどこに注目をすればよいのか分かりやすくなることが、イメージできました。最後に、スポットライトを使ってみての成果や感想なども教えてください。

 

宇佐美:そうですね。私は授業だけではなく、学会等の実践発表の場などでも使うんですけれども、発表すると必ず参加者の方からポインタについてのご質問がきます。そこでのやり取りでも、見やすい、分かりやすいというご意見や、子どもたちにとって分かりやすくする為に使いたいというご意見があります。そしてやはり実際に使ってみると、生徒の食いつきが全然違うんですね。普段なかなか授業の中で注目が難しい生徒も、きちんと見るところや読むところやがわかる様子が見られます。例えば『ここを読んでください』って指で示すよりも、ポインタのスポットライトで示した方がしっかり読めたりというような成果もありました。

強調表示           拡大表示          デジタルレーザー
強調表示           拡大表示          デジタルレーザー

――最後に、このポインタにこんな機能がつくといいなと感じることはありますか?

 

宇佐美:そうですねえ。これはもともと、パワーポイントとかのスライドショーで使うものなので、スライドショーのページの切り替えはできるんですけれども、カーソルの移動とか画面のスクロールができるようになるとより良いのかなと思います。(→後に、画面のスクロール機能はついている事がわかりました。

――なるほど。ポインタとしてだけなくて、マウスとしての機能も追加、整備されると、より活用がしやすいということですよね。以上でインタビューを終わります。ありがとうございました。

                                                                                   

エピローグ

インタビューでは触れられなかったのですが、アナログのレーザーポインタと違って、自分のPC画面に向かってポインタを示しても、生徒が見ているスクリーンや画面に向かってポインタを示しても大丈夫!という点も秀逸だと思います。

自分の机に座って示すもよし!前に出て示すもよし!不思議な仕組みですが、すごく面白くて使ってみたくなりますよね!

PCに向けて操作しても、スクリーンや電子黒板に向けて操作しても大丈夫!
PCに向けて操作しても、スクリーンや電子黒板に向けて操作しても大丈夫!

取材チーム:若井(インタビュアー)、田上(構成)、片山(カメラ)

 

 次回の記事は、ZOOMによる教育実践におけるご家庭の負担や、幼児児童生徒にとってZOOMへの参加のしやすさや分かりやすさに関する工夫についてお送りしたいと思います。お楽しみに!

 

 

 

11/11 「附属大塚のオンライン学習について語ろう!〜Zoom導入までの道のり〜」

 本校で今年度行ってきたオンライン学習のうち、今回はZoomを活用した実践について、座談会形式での情報交換を行いました。幼稚部から高等部までの教員11名が参加し、各部における様々な取り組みの現状が見えてきました。いくつかの話題にまとめて紹介します。

 3回目の今回は、ZOOMを使用した学習活動導入までの取り組みについてご紹介いたします!

 

実施日:2020年8月27日

 

参加者

司会:宇佐美教諭✳️

幼稚部:若井教諭✳️、飯島教諭

小学部:鴫原教諭、田上教諭✳️、高津教諭

中学部:片山教諭✳️、岩切教諭、島教諭

高等部:山口教諭、藤本教諭

 

✳️分掌ICT教育メンバー

 

<司会> 

「5月、6月あたりから、皆さんZoomでの実践を始めていると思うんですけれど、どんなふうに導入してきたか、どんな工夫をしたかという点について、お話がうかがえればと思っています。」 

座談会の様子
座談会の様子

<幼稚部> 

「幼稚部では、5月の連休のときにネットワーク環境や、機器(PCやタブレットの所有状況など)を保護者に聞きました。そのときにすでに多くのご家庭がWi-Fi環境下にありました。また休校期間中、ご家庭でどのようにお子さんと遊んだら良いか分からず、困っているという方もいました。オンライン学習はぜひやってほしいという方が多かったです。」 

「ZOOMやLineのグループ通話などによるオンラインミーティングの経験がある方が何名かいた一方で、PCはあるが全く経験がないという方も何名かいました。そこで、個別でZOOMミーティングを開設し、まず先生と親子で取り組むという形から始めることで、お子さんも緊張せずに集団でのミーティングに参加しやすくなりました。一つの工夫だったと思います。」 

飯島教諭
飯島教諭

<小学部> 

「小学部は4月の段階で、ZOOMを使ってやって行こうということになりまして、その段階では教員もZOOMの経験をしている人がそんなに多くはなかったんですね。まず教員でやってみて、使えそうだからということで、学部全体としてZOOMを使ってオンラインミーティングをやっていきたいと考えました。」 

「大体のご家庭は対応できる状況で、すでにZOOMを使ったこともあるというご家庭も一部ありました。ただ初めての方がいたり、ちょっと心配をされたりするご家庭もありました。またZOOMは使ったことがあるのだけれど、やっぱり家庭の状況が見えてしまうことにちょっと躊躇されていたということもありました。大方の家庭がミーティングに参加できる状況にあるので、最初にまず数回、集まれる人で接続テストをしました。3回ぐらい接続テストを行って、その後、具体的な運営を検討しました。」 

「始めたのは、そら組(5.6年生)が5月の連休明けくらいでした。朝の集まりを始めたのが5月4日です。」 

「つき組(3.4年生)も連休明けから始めました。はな組(1.2年生)は最初一人一人個別で行い、軌道に乗ってからは週二回、曜日を決めて全クラスで実施していました。」 

「また機器の揃わないご家庭には学校から機器を貸し出しました。iPadのみの貸し出しや、iPadとWi-Fiのセットの貸し出しがありました。その中で、ご両親がお仕事なので、おばあちゃんの家でやる、だけどおばちゃんに家には機器がないということで貸与した例もありました。おばあちゃんにもお母さんにもわかるように、ここをクリックすれば必ず繋がるという簡単なメモを同封しました。最初の頃はお母さんが接続してくれていたんですが、次第に児童が自分で接続できるようになりました。」

高津教諭
高津教諭

<中学部> 

「5月の7日、8日に、まず保護者の方と一緒に接続テストを行いました。その後に、1年生では5月11日から1週間かけて、一人ずつ個別にZoomでのやり取りを行いました。1年生は全員が参加できるようになりました。」 

「2年生、3年生も、Wi-Fi環境が全員整い、中学部は全員が参加できるようになりました。機器について、中学部での貸与はありませんでした。各ご家庭で対応ができたようです。」 

「1週間かけ、各学年で必要に応じて個別対応を行うことで、保護者も本人も接続に慣れていったようでした。」 

島教諭
島教諭

<高等部> 

「高等部でもポケットWi-FiとiPadの貸し出し、iPadのみの貸し出しがありました。接続については、各学年共に、特に大きな問題は無かったです。」 

「たまに回線の関係で画面が固まってしまって参加ができなくなり、再度入ってこられたことが何回かありました。特に、お家の方がいらっしゃらなくて、生徒一人の時に入ってこられないってことがありました。」 

 山口教諭                     藤本教諭
 山口教諭                     藤本教諭
座談会の様子
座談会の様子

 

 

10/27 「附属大塚のオンライン学習について語ろう!〜Zoomミーティング編2〜」

 本校で今年度行ってきたオンライン学習のうち、今回はZoomを活用した実践について、座談会形式での情報交換を行いました。幼稚部から高等部までの教員11名が参加し、各部における様々な取り組みの現状が見えてきました。いくつかの話題にまとめて紹介します。

 2回目の今回は、幼稚部・小学部に引き続き中学部・高等部の取り組みをご紹介いたします!

 

実施日:2020年8月27日

 

参加者

司会:宇佐美教諭✳️

幼稚部:若井教諭✳️、飯島教諭

小学部:鴫原教諭、田上教諭✳️、高津教諭

中学部:片山教諭✳️、岩切教諭、島教諭

高等部:山口教諭、藤本教諭

 

✳️分掌ICT教育メンバー

 

 

前回より続く

<司会>

「幼稚部から高等部まで、各部の授業でどのようにZoomが活用されていたのでしょうか。学習活動や取り組みの特色を教えてください。」

 

<中学部> 

「中1は、ホームルームを中心に行いました。やはり新入生ということで、学校の行事や1年間の流れをクイズ形式のスライドにして、見通しが立てられるようにしました。またZoomによるオンライン授業を始める前に、中学部の教員でYouTubeに運動や造形などの学習動画をアップしていました。オンライン授業でもそれに関連する活動も行いました。分散登校が始まってからは、生徒が全員教室に集まっているので、原則として対面授業となりました。そのため、登校日の授業の振り返りを、Zoomを使って休校日に行うようにしました。ご家庭で一緒に見ている保護者にとっては、登校日にどんな学習を行ったのかご理解をいただけたのではないかと思います。また、学校の各教室の紹介もZoomを使って行いました。iPodやiPadをZoomにつなぎ、それを持って教員が校内を回ることで、幼稚部や小学部の教室といった、普段なかなか入る機会の少ない教室を紹介することができました。実際に大塚はこんなところだよと紹介することができ、中学部から入学した生徒にはよかったと思います。 

片山教諭
片山教諭

「生活単元学習で本来4月の単元で行うはずの学校探検(紹介)は、今年は全く出来なかったですからね。」 

「そうですね。そこで生活に対する見通しが立てられたのが良かったと思います。また一度学校が始まる前にZoom上で集まっているので、初めて顔を合わせた時にも、「みんな、ひさしぶりー」という感じで、安心して会えたんじゃないかなと思います。」

中1 休校日のZoomでのホームルーム
中1 休校日のZoomでのホームルーム

→「休校期間についてなんですけど、どこかで時間を決めてやってたんですか?」 

「時間と内容については決めてやっていました。例えば、月曜と火曜は同じ時間に、同じ内容で行うので、都合のつく日に来てくださいと伝えていたんですけど、大体の生徒が二日連続で参加をしていました。」 

 

「中2も、最初のうちは朝の会をやっていく流れで行いました。私が持ち上がりの担任だったので、朝の会の流れは概ね決まっていたので、次第に生徒達で司会進行とか、今日の健康観察みたいなやりとりができるようになりました。教員はある程度様子を見守りながら、必要に応じてコメントをする程度です。最初は朝の会の進行に時間がかかっていましたが、次第に10分、15分で進行できるようになりました。

中2 休校日のZoomでの朝の会
中2 休校日のZoomでの朝の会

 そこでYouTubeで配信していた運動を行いました。「はい、じゃあ今からYouTubeにつなげるから。みんなみてたかな?」みたいな感じで確認をしながら、朝の会に運動を取り入れる流れをつくりました。また先ほどの自己紹介にもつながるところで、自分の宝物を紹介する活動も取り入れました。仮面ライダーの変身ベルトなど、本来学校には持ってきて見せられないものも、紹介することができて、またそれがいきなり画面上に現れるので、みんなの食いつきが良かったです。Zoomならではの活動だと感じました。」 

岩切教諭
岩切教諭

「分散登校時には、授業に関するアンケートや、登校時の授業の振り返りでZoomを活用しました。例えば、生活単元学習で育てたい夏野菜についてアンケートをとったり、野菜の植え方、育て方、育ちの様子などを休校日にも伝えたりしました。実際、登校日に授業で行なった活動を、次の日のZoomを使って、画像とか動画で「昨日こうだったよね」と振り返れるのは、どれだけ定着したかを確認できる学習形態になっていたのかなと思いました。あと2年生は、一つ学年が上がって、後輩が出来た、1年生はまだ初めてでドキドキしているかもしれないからということで、Zoomの中で1年生の名前を覚えることにも取り組みました。分散登校の時はまだ会えなかったんですけど、いよいよ二学年同時に登校日になったタイミングの時に、生徒の期待感が大きかったです。ずっとZoomで見ていた人から、本物にあえるというところになって、インタビューをしてみようということになりました。」 

 

「中3は、ホームルームからスタートしました。毎回ほぼ同じ流れで進行し、クイズなどを取り入れ、双方向的なやりとりになるようにしました。Zoomでは6人集中して取り組んでいました。PCの画面にむかうことで、集中ができていた印象でした。PC画面だとその画面だけで情報が完結しているのでわかりやすいかも知れません。」 

島教諭
島教諭

→「自分が授業をする時は、パワーポイントを画面に映しているが、集中するのが苦手な生徒には個別に手元でも見られるように準備するととても集中する。画面との距離って大切だよね。」 

「また中3は座学というか、事前学習のような位置付けでも行いました。植物の葉や根などについての学習では、根っこは水をすうんだね、じゃあ水をあげる時には根っこにあげるんだねなどと話しながら学習しました。また毎回運動やお金の学習なども入れながら、毎回40〜50分、行いました。保護者のみなさんは、大体横にいて画面には映らないんですけど、「先生たちのスライドを使っている授業をみて、こういう風に教えたらいいんだ」とか「いろいろ思いつきました」など、傍で授業を見て感じたことを伝えてくださる方もいたので、そういう点ではオンライン授業もすごくいいなと思いました。」 

→「植物の授業は、技術的には何で示したんですか?」 

「座学の学習は基本的にパワーポイントで作りました。植物については実際に準備していたものを写真に撮ったり、動画で見せたりというような工夫をしました。」

PC画面を活用した中3学級での授業
PC画面を活用した中3学級での授業

<高等部> 

「高等部自体は連休明けに各家庭との接続のテストを行い、それから毎日、朝30分、夕方30分のホームルームを中心に行いました。基本的には朝の会が中心です。出席確認とか、家庭での様子について「今日なにしてんのー」とかいって情報が共有できるようにしました。やっぱり他の学部と同様に、6月の入学式でも初めて会った気がしなくて、スムーズに関係づくりができたかなと思います。分散登校時にもお休みの日は、朝の会を必ず行いました。またその他にお金の学習などの個別の学習も併せて行っていました。今いろんな先生方の話を聞いていて、すごくハイテクだと思いました。私は小さいホワイトボードに日付を書いて見せたり、歌詞カードを一枚ずつめくって示したりという方法が中心だったので、ここでお聞きした方法を参考にして見たいと思いました。」 

山口教諭
山口教諭

→「でも、確かにこれが一番わかりやすい気もしますね。」「先生の顔が一緒に画面に入っている方が、話を聞きやすい場合もあるらしいですよ。」 

「高3は、帰りの会と夕方の会を30分ずつやりました。またビジネスマナーを毎日一問やって、順番に答える、という取り組みをしました。ラジオ体操やダンスなど身体を動かす活動も取り入れました。ダンスはその日の気分でいろんなダンスをやっていました。帰りの会は、その日にあったことを写真付きで発表する活動を行いまして、その写真を撮るのがみんな楽しみだったようです。写真の中身は、今日何を作ったか、何をしたかというのを親子で考えながら、とても楽しんで発表していました。そういうことがあって、分散登校が始まっても、みんながすっと馴染めたという印象があります。分散登校後も、Zoomでの朝の会、帰りの会は続けてきました。また個別学習については、何が必要か生徒や保護者のみなさんにアンケートとりました。方法についても、プリント学習なのか、ズームでの学習なのか、何日くらい学習が必要かなど、項目を決めてアンケートを取り、個別学習の内容や方法を決める際の情報にしました。」 

藤本教諭
藤本教諭

「また高3では現場実習の面接練習を行いました。質問をあらかじめ出しておいて『明日のこの回でやるから考えておいてください』という指示を出しました。自分で考えてくる生徒、保護者と一緒に考える生徒、それぞれでした。」 

→「実際の面接をZoomで行う企業も増えてくるかも知れませんね。」 

「急に面接の練習をやりますと言われてもなかなか難しいです。1日1問、宿題として出して、保護者と一緒に考えてもらうところから始めることもあります。」 

 

<一斉登校後の活用> 

「高3では日常的にICTを使っていて、活用もスムーズに進めることができました。一斉登校後も、集団活動は難しいので、高等部では体育や音楽はZOOMで行っています。音楽はメインティチャーが音楽室から各教室に配信する形で行っています。」 

Zoomで行った3学年合同でのスポーツ対抗戦
Zoomで行った3学年合同でのスポーツ対抗戦

「体育については、1学期はクラスごとに「アダプテッドスポーツ」を題材に、教室で取り組むことができる内容を計画しました。7月にZOOMで集合し、3学年合同で3種類のスポーツ対抗の活動を行いました。(コップつみ、カローリング、スナッグゴルフ)」 

「また集団に入ることが難しい生徒は、別室から参加をするようにしました。本人は安心して参加し、友だちの姿を見ることができていて、良かったと思います。」 

「見られることに苦手意識がある生徒の場合、別室で様子を見られることは本人の安心感を保障する工夫になったと思われます。」 

スナッグゴルフをプレーする高等部2年の生徒
スナッグゴルフをプレーする高等部2年の生徒

「駒場高校との交流会では、大塚の自己紹介ビデオを先方に視聴してもらったあとに、ZOOMで交流を図り、今後の交流会の企画について話し合うことを行いました。駒場高も、会場(高校)で参加していた生徒は8名程度、あとは自宅からの参加をしていました。画面越しにフリップを書いている高校生がいて、その時は大塚の生徒たちも良く注目をする姿が印象的でした。ZOOMで活動を行っている時に、注目が難しい生徒もいましたが、その際はチャット機能を活用するようにしました。朝の会、帰りの会などで話されたことをチャット機能で文字化したのですが、そうすることで、注目が難しかった生徒も主体的に画面へ注目することができるようになっていきました。一人一人の教育的ニーズに応じることができた一場面だったと考えています。」 

「高等部3年で行った工夫としては、画面の共有方法やチャットの使い方などについて、動画解説(zoomで写真共有 スマホ編zoomで写真共有 パソコン編)をしたVTRを作り、補助教材として活用を図りました。家庭において保護者からの支援を必要とする生徒もいましたが、大半の生徒は自分でZOOMを使いこなし、コミュニケーションを図ることができていたと思います。動画は、写真の共有方法についてまとめました。なお、タブレットとPCの両方の教材を作成した(ボタンの位置が異なるため)。また学級だよりにも活用してメールで配信し、家庭との連携を図りました。」 

「チャット機能の活用については、全体に送信する方法と個別に送信する方法の2種類について説明を行いました。その結果、例えばクイズゲームとしてお題に対する回答を先生だけに送るなどの使い方をするなど、活用に拡がりが見られるようになりました。ある程度、PCや文字入力のスキルが必要になりますが、簡単な使い方が分かれば、その後は生徒が自分で工夫しながら、多様な活用につなげられると感じています。授業としての活用にもつなげることができたと思います。」 

 

→司会「他にこのような工夫をした…などの実践を行った先生のお話をぜひ聞いてみたいです。」 

<中学部>「中学部と附属高校の交流会では、自己紹介としてスライド動画を作成し、オンデマンド交流を図りました。繰り返し視聴できることは生徒にとってとても良く、夏休み中にYouTube限定公開で家庭でも視聴ができるようにしました。」 

 

第3回は、Zoom導入までの道のりについて報告させていただきます。 

11月中旬の掲載予定です、お楽しみに! 

 

10/13 「附属大塚のオンライン学習について語ろう!〜Zoomミーティング編1〜」

本校で今年度行ってきたオンライン学習のうち、今回はZoomを活用した実践について、座談会形式での情報交換を行いました。幼稚部から高等部までの教員11名が参加し、各部における様々な取り組みの現状が見えてきました。いくつかの話題にまとめて紹介します。

 

実施日:2020年8月27日

 

参加者

司会:宇佐美教諭✳️

幼稚部:若井教諭✳️、飯島教諭

小学部:鴫原教諭、田上教諭✳️、高津教諭

中学部:片山教諭✳️、岩切教諭、島教諭

高等部:山口教諭、藤本教諭

 

✳️分掌ICT教育メンバー

座談会の様子
座談会の様子

<今年度1学期の本校の状況について>

オンライン学習の話題に入る前に、今年度1学期の本校の状況を簡単にご説明します。今年度は下記の状況を経て、授業を再開しました。

【臨時休校期間】4/8(水)〜5/29(金)

【分散登校期間】6/1(月)〜6/30(火)  

オンライン授業:1週間のうち、登校しない日の平日1〜2回程度に実施。 

学校での対面授業:週2〜3回登校。時間を分散して登校。  

【一斉登校期間】幼稚部・小学部 7/01(水)〜7/31(金)。中学部・高等部 6/30(火)〜7/31(金)。

登校を自粛している生徒については、授業の様子を zoomで発信し、在宅で授業に参加

できるようにした。 

 

1.Zoom(オンライン会議システム)を活用した各部の学習活動(取り組みの特色) 

<司会>

「幼稚部から高等部まで、各部の授業でどのようにZoomが活用されていたのでしょうか。学習活動や取り組みの特色を教えてください。」

 

<幼稚部>

「あつまりを中心に行っていました。分散登園中、登園している子たちと家にいる子たちに対してもZoomを使ったあつまりをしていて、登園していない園児の保護者からもZoomで参加をしたいという要望がありました。一方、対面とオンラインを同時に行うにあたっての課題もありました。その一つに、学校にいる園児と合わせて、Zoom上で参加する幼児に対して画面越しに紙芝居や絵本等を見せることが難しいということがありました。」

「最初はパワーポイントの画面を共有していましたが、歌紙芝居の絵のみしか共有できませんでした。前で示範しているメインティーチャーの動きや、一緒に参加している友達や大人の動きも共有できるとよいと考え、ギャラリービュー(一覧表示)の1画面として、歌紙芝居を投影できるように工夫しました。ギャラリービューで行ってみると、歌紙芝居の画面をよく見る子や、教員の動きをよく見る子がいて、子どもたちが見たいものは、それぞれにあるんだなということがわかってきました。」

分散登校中 幼稚部 zoomをつかって家にいる子も授業に参加
分散登校中 幼稚部 zoomをつかって家にいる子も授業に参加

「パワーポイントのスライドを画像ファイルに変換して、バーチャル背景として張り付けるとギャラリービューの1画面として表示できます。この工夫で家庭から参加をする幼児も見やすくなりました。それまでは、カメラの位置に応じて教員が移動したり、逆にカメラを動かしたりと、環境設定がとても大変だったので、バーチャル背景を上手く使うことで、私たちも楽に配信できるようになりました。」

若井教諭
若井教諭

→「具体的にあつまりの内容はどんな感じだったですか?」

「あいさつ、名前呼び、歌のリクエスト、家にある好きな物の発表、踊り、親子でできる歌遊びなどです。」

→「集まり以外には何をしたの?」

「幼稚部は授業ではあつまりが中心でした。その他、保護者会でもZoomを使ったことはあります。」

 

<小学部>

「はな組(1.2年生)もあつまりを中心に行いました。事前に各家庭にDVDを送り、その中にあつまりで行う活動を色々と入れました。お楽しみコーナーでは、DVDで紹介した活動の中から日替わりで行ってみました。内容は、あいさつ、歌、名前、朝食に関する質問、お楽しみコーナー、おわりのあいさつ、の流れです。個別的なやりとりとして、児童のリクエストを聞いて一緒にやってみることもしました。」

鴫原教諭
鴫原教諭

「つき組(3.4年生)も、あつまりを中心的に行いました。活動の流れは、あいさつ、歌、名前、曜日、天気、お楽しみコーナーです。お楽しみコーナーのところでは絵本の読み聞かせをしていました。つき組でも事前にあつまりの流れのDVDを作って家庭に送りました。オンラインあつまりを始めると次第に児童自身がしゃべりたい、自分の声を他者に届けたいという思いが強くなり、マイクでそれぞれが喋り出す場面が増えてきました。そのため途中から一言タイムとして、テーマを決めて各児童が話す時間を設けました。事前にどのようなことを聞くのかを伝えておくと、必要な子はあらかじめ準備をしていました。話す活動の場合、各家庭のZoomの環境によっては子どもの声がうまく聞き取れないこともありました。ある日一人の児童が「ここにおできができた」と一生懸命伝えようとしたのですが、上手く伝わらなかったことがありました。授業終了後も一生懸命Zoomを接続して、伝えようとしていたという報告が保護者からありました。」

 

「そら組(5.6年生)もあつまりが中心でした。名前呼びの時に、一言コーナーを設けました。毎回お題を出しておき、家にいる時に、お気に入りのものや最近あった出来事などを考えて発表してもらうようにしました。授業終了後は、学級通信で「〇さんはこんな発表をしました」と書いて伝えるようにしました。またペープサートを使って、「今の天気は?」と発問をしたりしていました。お楽しみコーナーでは3人の担任がそれぞれ運動、音楽、絵本の読み聞かせ等を分担して行いました。」

高津教諭
高津教諭

「分散登校中は学年ごとに登校していたので、幼稚部のように対面とオンラインと同時に行いました。表示については、在宅で参加の児童には、見てほしい画面を「スポットライト表示」で示すようにしました。また録画はギャラリービューで録画し、配信は、みんなの様子がわかるように画面を切り替えて配信するようにしました。分散登校中はカメラ2台を使用し、教室全体と教員や友達のアップが見えるように設置をしました。また外付けのWebカメラを使う際に、パソコンとIVCAMをつなげて使用しています。」

分散登校中 そら組(5、6年生)もzoomをつかって家庭とつながる。教室全体と教員や友達のアップが見えるようにカメラ2台を使用。
分散登校中 そら組(5、6年生)もzoomをつかって家庭とつながる。教室全体と教員や友達のアップが見えるようにカメラ2台を使用。

→「IVCAMいいよね。」

「いいですよね。PCだと機器を動かさないといけないが、IVCAMはそのまま切り替えができる。PCは固定で教室全体を写し、教員や友達を映すためにIVCAMを使って、iPod touchをつないだPCを使用しました。」

「IVCAMというのはアプリで携帯のカメラの映像をZOOMに映し出すものです。PCだと持ち運びが大変ですが、IVCAMを使えば楽にカメラを動かすことができます。iPodだと画質も音質も良いです。」

→「それは無線でも使えますか?」

「無線でも使えます。」

「携帯(iPod)とPC両方にアプリを入れると、自動で検索をして連動します。ただ、MACはIVCAMを使えません。」

「Macで使えるWebカメラソフトとしては、EpocCamというソフトがあります。」

→「Zoom拡張系のアプリがたくさんあったんですね。」

「WindowsはIVCAMが主流です。」

一斉登校 zoomで各教室をつなぎ、新入生歓迎会に参加するはな組(1、2年生)
一斉登校 zoomで各教室をつなぎ、新入生歓迎会に参加するはな組(1、2年生)

次回は、中学部と高等部の取り組みについて報告させていただきます。

10月末掲載予定です、お楽しみに!

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